にゃんにゃんOL物語 Vol.8

浮気の代償、咎められるのは女ばかり。にゃんにゃんOLは会社にとってただのお飾り?

定時帰りの、腰掛けOLたち。

楽な仕事に給湯室での井戸端会議、充実したアフターファイブ。

”安定”という鎧を手に入れた彼女たちは保守的で、誰かが幸せにしてくれるのを待っている。

丸の内の大手損保会社に勤める愛華(26)も、その一人。典型的な腰掛けOLである彼女には、実はこんなあだ名がある。

“にゃんにゃんOL”、と。

元OLのアリサ(29)から檄を飛ばされながらも、意中の商社マン・和樹に“可愛い”と褒められ喜び、そして無意味な資格取得に燃える愛華。

そんな愛華が、少しずつ変わり始めた...?


理不尽なことだらけの世の中で


「愛華ちゃん、結衣ちゃんの話聞いた?」

昼休み15分前。

今日はどこでランチをしようかとPCで検索していると、隣の席に座る一つ上の先輩・梨香子がそっと小声で話しかけてきた。

「...えっと?結衣ちゃんの話って何ですか?」

結衣は、以前から社内の既婚者とあらぬ関係にある。私は知っているけれど、そのことだろうか?

それならば知らないフリをしてあげるのが結衣のためかな、などと考えている間に、 梨香子はまくしたてるように話し始めた。

「ヤダ〜愛華ちゃん知らないの?結衣ちゃん、部長とずっと不倫してて、それが上にバレて今大問題になってるのよ。」

バレたことは、知らなかった。社内でそんな人たちはごまんといるだろうが、何かあったのだろうか。

「それで結衣ちゃん、五反田へ飛ばされるらしいの。」

「...え?丸の内オフィスから飛ばされるってことですか!?」

胸がドクン、と鳴る。結衣は以前から、食事会などに行くたびに“丸の内で働いている”ことを強調していた。

丸の内OLという響きの良さを誰よりも気に入っており、自分の価値はそこにあると信じて疑っていなかったのに。

それなのに、五反田に飛ばされるなんて...。

「でも、部長の方は何もお咎めなし。今日も元気に営業中、だってさ。」

思わず、キーボードを叩く手が止まった。

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