今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.5

この人素敵!女性にそう思わせる唯一のうんちくはこれだ!


ワインのうんちくなら、セレブネタにせよ


柳「じゃあ、これなんてどう? 南西フランスにマディランというワイン産地があって、そこの優良生産者にアラン・ブリュモンという人物がいる。彼が造るワインの名前は『シャトー・ブスカセ』。」

――まだピンときませんね。

「このワインの大ファンが誰あろう、今公開中の映画『ザ・マミー』で主演を務めるトム・クルーズだ。自家用ジェット機のガルフストリームに乗ってわざわざ買いに来るという逸話がある。」

――素敵! トム様がお好みのワインなら、さぞや甘美なんでしょうね。

柳「それがこのワイン、タナという品種から造られているんだけど、タンニンがその語源とされる品種だけあってめっちゃ渋い。飲み頃を迎えるまで何年も待たなきゃならない。」

――最近のトム様はジャック・リーチャーみたいに渋い親父役も決まってきたから、それもありかも〜。

柳「さらにセレブ関連のワインなら、古くからあるのがフランシス・フォード・コッポラ監督の『イングルヌック』。『ゴッド・ファーザー』で得た富で75年に購入したナパ・ヴァレーのワイナリーだけど、最初はブドウを近隣のワイナリーに売るのが目的で、ワインを造る気などさらさらなかったらしい。」

――フランシス・フォード・コッポラ監督、「地獄の黙示録」も昔観たなあ。

柳「その『地獄の黙示録』の制作費が嵩み、その時の借金を返済するためワイン造りに踏み切ったんだって。最近は娘のソフィアや奥さんのエレノアのほうが映画製作に熱心で、ご本人はワイナリー経営にどっぷりはまってるご様子。」

――才能がある人ってなんでもできちゃうんですね。

柳「フラッグシップの『ルビコン』は、昨年までの5年間、エステート・マネージャーを務めたフィリップ・バスコールのおかげで、素晴らしくエレガントなワインに進化した。」

UKポップスの大御所もワイナリーオーナー!


――ほ〜、ほかにもセレブ所有のワイナリーってありますか?

柳「アンジーとブラピが南仏にもつ『シャトー・ミラヴァル』。昨年の離婚騒動後どうなっちゃうのって心配したけど、ビジネス関係は継続と発表されてひと安心。それから『イル・パラジオ』というイタリアワインは知ってる?」

――ん〜、知りません。

柳「あのスティングがトスカーナ地方に所有するワイナリーさ。バイオダイナミックス農法の大家、アラン・ヨークをコンサルタントに起用するなど、コッポラ監督並みの入れあげよう。ワインの名前はフラッグシップの『シスター・ムーン』をはじめ、彼の楽曲名がつけられている。ありゃ?どうしたの?」

――しくしく。元カレがスティングの大ファンなんです〜。このワイン知ってれば、フラれなかったかも。

たとえば、こんな1本
「イル・パラジオ シスター・ムーン」

ワイナリーのフラッグシップとなるスーパータスカン。「ワインはサイン、指紋、あるいは声のように唯一無二のものでなければならない」とスティング。このシスター・ムーンは、ワインスペクテーターTOP100に選出された。

¥6,800/ジェロボーム TEL:03-5786-3280

教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える

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