にゃんにゃんOL物語 Vol.2

にゃんにゃんOL物語:年収460万のOLは、年収1,000万以上の男性に見向きもされない

入れぬ会話、気がつけば相手にされていないにゃんにゃんOLたち


30分もすると、たたみか掛けるようにバタバタと皆がやって来て、アリサさんは相変わらず他を圧倒するオーラを纏いながら、『グリル アンド ワイン ジーニーズトーキョー』に入ってきた。

アリサさんが来ると、その場の空気が一瞬で変わる。

うまく表現できないけれど、美人とかそんな安易な言葉では収まらないような、もっと根本から人を惹きつける魅力があるのだ。

「アリサ、今日は可愛い子連れてきたね。」


目の前に座る代理店勤めの男性が、私と結衣を見て嬉しそうにニヤついている。ほとんどの男性陣は、私と結衣がいると目を細める。

「友達が一人来れなくなったから、代わりに商社で働いているやつ呼んだから。」

トモヤ、と呼ばれているその男性の言葉に、結衣と二人で更に期待値が高まる。そしてその期待値は、本人とご対面して最高潮になった。

「か、和樹さん...」

先日の食事会で一緒になり、いいなと思っていた和樹さんが立っていたのだ。

「あれ、この前会ったよね?」

相変わらず爽やかな笑顔でやって来た和樹さんに、グロスは取れかけていないか、ネイルは伸びていないか、など短時間で色々と考える。

—和樹さんと、仲良くなれるチャンスかも...


結婚行進曲が、頭の中で流れ始める。
ブーケは白とピンクを基調にした物にしよう。


アジア担当だと言っている和樹さんの赴任先は、シンガポールとか?そしたら私は駐妻となり、優雅な海外暮らしをできるのかしら...

一人、妄想が膨らんでいく。

しかし会が進むにつれて、徐々に男性陣との距離を感じ始めた。

「アリサ、最近仕事はどう?」

トモヤとアリサさんは、仕事の話で盛り上がっている。そこに和樹も参戦し、三人で何やら知らない世界の話をしている。

「最近原価が上がっちゃって大変よ。どこも足元見て物流費あげてくるし。うちはPB商品の構成比率が多いから、まだコントロールしやすいけど。」

「そのマーケットでSPA型でやれてるんだから、さすがだよ。デザインから製造工程がコントロールできる会社は、強いね。あれ、和樹の担当ってなんだっけ? 」

「俺はエネルギーの部署ですよ。最近マレーシアのインフラに整備にあわせて...」

一生懸命、理解しようと試みてみるものの、全く分からない。理解の範疇を超えているのだ。

「こうやって、仕事の話ができる女性はいいですね。最近、頭の弱い子が多いから。」

ふと和樹さんの顔を見ると、話が分かるアリサさんと会話している時は、とてもイキイキとした顔をしている。


—それに比べて、私は...


私には、何もない。

誇れる仕事もなければ、男性陣の難しい仕事の話を理解出来るような知識もない。

でもアリサさんより、女子力は高いはずだ。フラワーアレンジメントの資格も持っているし、料理教室にも通っている。女子力磨きも怠っていない。


でも一体、そんなちっぽけなこと、何かの役に立つのかな。


男性陣の視線が、アリサさんへ一点集中になっていくのを、ただ指をくわえて見ることしかできなかった。


▶NEXT:8月16日 水曜更新予定
頑張れにゃんにゃんOL! アリサの檄が再び飛ぶ

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