東京美食MAP 10の街 銀座で期待の新店 Vol.5

ノジマ

野じま

銀座に恋焦がれる。そんな気持ちを共有できる鮨

左.「銀座では、マグロで勝負する」との言葉通り、その品質、味わいには自信あり。シャリはマグロに合う赤酢と塩のみ。日々その配合を調整し、研究を続けるのは彼にとって大切な挑戦。かために炊いたシャリの表面に、味が絡む

右.凛とした存在感の白木のカウンター。「これぞ正統派鮨屋」の趣。6席ゆえ、小箱でもゆったり

西麻布を離れて憧景の地へ
実力派職人が今、銀座に立つ

かつて銀座は大人の街だった。だが時は移り、大通り沿いの顔並びは入れ替わり、行き交う人々の姿も他の街同様となる。
「昔は、どんな大混雑だって、往来で人と肩がぶつかるなんてことはなかった。江戸しぐさがあったからね」と銀座の老舗レストランの社長は懐かしむけれど、この街が日本で最も憧れを集める場所であることは、今も間違いなく変わらない。

西麻布で独立した野島郁氏が銀座へ進出したのも、ここに特別な磁力があるからだ。東陽町で修業を始め、「もっと上を見たい」と銀座で5年。「どうしても、銀座へ」との思い断ちがたく、今年6月、銀座7丁目の小径に改めて『野じま』を開いた。「開店日最初のお客さまに握りを出した時は、震えましたよ。嬉しくてね」

少し照れくさそうに笑う野島氏が、どれだけ銀座に恋焦がれたか。目も舌も肥えたお客と日本中の美味が集まる銀座には、鮨屋としての大成を誓った彼が目指す全てがある。この街で握る鮨の目玉は、やはり江戸の華、マグロ。マグロ卸大手のお偉いさんに可愛がられるようになったのも、銀座に向かういい風向きとなった。今夜は銀座に恋する者同士で、このカウンターに座ろうか。

左.「音が無いのが、良い仕事」と先輩達に口を酸っぱくして叱られた。つけ台に立ってからは、「おまえの指の使い方はなってない」とお客に諭された。そんな若き日の経験が、今、こうして鮨屋としての美しい所作へと昇華する

右.店内に、無粋なもの、無駄なものは何ひとつない

左.愛知の天然車エビ

右.豊後水道の白甘鯛の昆布締め

左.静岡・舞阪産のシンコ

右.中トロ。佐渡の定置網ならではの、さっぱりとした脂が旨い

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