出世の花道 Vol.3

出世の花道:社会に出たら安易に笑うな。「目が笑ってない」と言われる男の言い分

出世したい―。

サラリーマンである以上、組織の上層部を狙うのは当然のこと。

だが、仕事で結果をだすことと、出世することは、イコールではない。

そんな理不尽がまかり通るのが、この世の中だ。

出世競争に翻弄される、大手出版社同期の2人。

果たして、サラリーマンとして恵まれているのは、どちらだろうか。


人事異動で下された辞令に納得できない思いを抱える秋吉直樹(34歳)。前任であり同期の武田壮介から引き継ぎ、作家・西内ほのかを担当することになった。


「僕はその企画では、絶対に通しません」

毅然とした態度で直樹が言うと、西内ほのかはあからさまに嫌な顔を向けてきた。

だが、どんなに睨まれようとも直樹は淡々と告げる。

「僕が納得できるまで、何度でも書き直してもらいますから」

このやり取りを繰り返すのは、今日で2回目だ。

前回、武田と3人で会った時も同じようなやりとりを1時間繰り返した。今日は噛みついてくる武田が居ない分、話が進めやすいかと思ったが、だんまりを決め込む西内ほのかは、思っていた以上に手強い。


良いものを作れば、売れる。


サラリーマンであれば、誰もがそう信じているはずだ。

自分が手がけた仕事、自分が立ちあげた企画。仕事に真剣に向き合っていれば、それらに対する愛情と誇りに思う気持ちが膨らむのは当然のことだ。

だが、その想いが上手く回る場合とそうでない場合がある。

武田の場合は、間違いなく後者である。

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