それも1つのLOVE Vol.14

それも1つのLOVE:憧れ続けた女は幻だった?結婚式で初めて知る、彼女の素顔

それもまた1つのLOVE。

愛してるとは違うけど、愛していないとも言えない。

あなたの身にも、覚えはないだろうか…?

大学時代の同級生・衣笠美玲は翔平にとってずっと手の届かない高嶺の花だったが、いつしか“特別”な関係となる。

美玲は突然婚約を宣言するも、翔平を自宅に誘いふたりは一線を超える。その後ついに翔平は思いを打ち明けるが「もう遅い」と言われてしまう。

一方翔平は、高校の同級生・奈々とも男女の関係となる

しかし曖昧な関係が心地よい翔平は、奈々との温度差が面倒になり彼女を拒絶してしまう。


彼になる気もなくて


「...ああ、落ち着く」

家に戻った翔平は、ソファに横になると同時に声を漏らした。

社会人3年目に会社の寮を出て借りた赤坂のマンションも、もうすぐ3年が経つ。目に入るすべてに安定感があり、誰にも何にも心乱されることのない空間。

−やっぱり、今日は帰る。

天井を見上げ、ついさっき投げつけられた言葉を思い出す。

抗議の色が込められた、奈々の声。それは金属音のように響いて、ほろ酔いで上機嫌だった翔平の心を冷やした。

本心を言えば、今夜は女性の温もりが欲しかった。

だからあのまま帰らせるのは正直、惜しかったのだが、しかし引き止めた後のやり取りの煩わしさが勝った。

自分と奈々の、温度差の違いには翔平も当然気づいていた。それでも彼女と過ごす時間は心地よかったのだ。...曖昧である限りには。

奈々の口から、婚約までしていたはずの彼と別れたと聞かされてハッとした。そんなこと、別に翔平は望んでいなかった。

少なくとも現時点で、翔平は奈々の「彼氏」になる気はないし、彼女の将来に責任を負う覚悟など毛頭ない。

−もう、連絡するのはやめよう。

そう決心し、大きくため息をついたところで睡魔に襲われた。

...そしてその後、奈々からも連絡はこなくなった。

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