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  • たった1人の女 Vol.1

    たった1人の女:すべてを手にしたような男が、磨けば光る女性を好きになる理由

    「やっぱり、翔太くんは世界が違うね。歌舞伎鑑賞って敷居が高いイメージがあるけど、翔太くんにとっては普通のことなんだよね」

    少し寂しそうな表情で、優子は言った。このところ、優子は自分と翔太の育った環境が違いすぎる事を気にするような発言が増えていたのだ。

    「そんなことないって。うちの両親はたまに行ってるけど、実は俺も今日が初めてなんだ」

    翔太が言うと、優子は意外そうな顔をした。


    「それに、ダイナースクラブカードの特典で先行販売をやっていたんだ」

    「何それ?」

    不思議そうな顔を向ける優子に、翔太はカードを取り出して見せた。

    「あ、翔太くんがいつも使ってるクレジットカード?」

    「そう。便利な特典が色々あるんだ。だからそんなに気にしないで。俺、優子を驚かせるのが本当に幸せなんだ」

    翔太が言うと、優子はまたひまわりのような笑顔で「ありがとう♡」と腕を絡めてきた。

    みるみるうちに洗練されていく彼女


    付き合い始めて約半年になる7月15日、翔太と優子は大手町にあるアマン東京を訪れていた。

    今日は、翔太が毎年楽しみにしている、「ダイナースクラブ イタリアン レストランウィーク2017」の初日で、本格イタリア料理のディナーコースが、全国にある参加店で5,000円で食べられるのだ。

    ダイナースクラブ会員の特典である先行予約を駆使して、この期間中に色んなお店でお得なコースを食べ歩くことを毎年の楽しみにしている。

    今年最初に選んだのは、アマン東京33階の『ザ・レストラン by アマン』。

    普段のデートでも来ることはあるが、この期間中にダイナースクラブ会員限定で提供される特別コースが今日のお目当てだ。レストランウィークの会員特典であるウェルカムドリンクを飲みながら、優子とテーブルに向かい合い、料理が運ばれて来るのを待っていた。

    はるか頭上にある天井、重厚感のあるテーブル、無駄な動きのないスタッフ。そして、大きなガラスの向こうには、東京のきらきら光る夜景が見下ろせる、洗練された空間。

    目の前に座る優子は、この空間にぴたりとおさまるような、素敵な女性に変身していた。

    翔太は、女性の変化の速さに驚いたものだ。

    出会った当初優子が垣間見せていた、自信のなさそうな表情は、もうしばらく見ていない。

    歌舞伎はもちろん、銀座のレストランでも、ホテルのバーでも、優子は物怖じすることなくその場に馴染み、うまく溶け込む。

    まるで半年前の姿が嘘のように、その姿は凛としており、洗練された東京の女だ。

    もう、何をしても「すごいね!」と言って、ひまわりのような笑顔を向けてくることはなくなった。

    翔太はその変化に満足しながらも、少しの寂しさも抱えていたのだった。


    数年後・・・


    翔太は、アマン東京の『ザ・ラウンジ by アマン』で優子と瓜二つな女性を見つけて、思わず声をかけそうになった。

    ―優子……なわけないよな。

    ウィスキーを傾け、氷とグラスが触れる音を楽しみながら、自嘲気味に小さく笑った。

    優子との関係は結局、翔太が振られる形で幕を下ろした。

    翔太が連れて行く場所、教えたレストラン、何をしても喜んでくれた彼女だったが、すぐに翔太に物足りなさを感じたらしく、付き合って1年を迎える頃から会う回数が減り、そして別れが訪れた。

    幸いなことに、仕事は順調でアメリカ留学の話も出ていた頃だ。

    傷心の翔太はそのままアメリカへと渡り、あっという間に数年が過ぎて、今年の春から日本に戻ってきた。

    戻ってすぐに智弘たちがまた食事会を開いてくれたお陰で、デート相手には困っていない。

    今日も、食事会で知り合った絵美とこれからデートだ。彼女も優子のように、地方から上京して、まだ東京に馴染めていないような、少し自信のなさそうな女の子だ。

    智弘たちは茶化すように言う。

    「また優子ちゃんみたいに、卒業されちゃうんじゃないか?」と。

    その度に「それでいいんだよ」と笑って答えるのは、それが紛れもない本心だからだ。少し自信のない女の子に色々な経験をさせることで、洗練された東京の女性に変身させる。

    たとえ1年間という短い期間で終わろうとも、翔太はそれで満足だった。


    ー女性がみるみる洗練されていく姿を見守るのは、何にも代えがたい。


    そんな風に考えるようになったのはもちろん、優子という特別な1人の女性と出会ってしまったから―。

    残っていたウィスキーを、ぐっと喉に流し込む。

    喉の奥に少しの刺激を感じながら、独特な香りが込みあげてくるのを待つ。

    ―こんな人生も、悪くない。

    鼻に抜ける香りを楽しみながら、翔太は一人で満ち足りた気持ちに浸るのだった。


    ▶NEXT:8月配信
    幼馴染の智弘の、”たった1人の女性”との物語

    優子とのデートで活用したダイナースクラブカードの詳細はこちら!

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